アドオンモジュールの概要
インストールされているVissimバージョンのアドオンモジュールは、[License]‐[ライセンス] ウィンドウに表示されます (プログラムとライセンス情報の表示)。Vissimは次のアドオンモジュールとともに利用できます。
一般的なモジュール
- [BIM Import]-[BIMインポート] (建物情報モデルファイルのインポート)
[BIM Import]-[BIMインポート]モジュールは、データフォーマットIFC(Industry Foundation Class)のBIMファイル(建物情報モデル)をINPXファイルへ変換します。INPXファイルに変換されたこれらのファイルは、Viswalkでの歩行者シミュレーションで使用するためのものです。
ほぼすべてのCADソフトウェアがIFCエクスポートに対応しており、CADソフトウェアとViswalkとのインターフェイスを提供しています。インポート側は、スラブをエリアに、壁を障害物に変換します。また、レベル構造を維持したまま階段をインポートすることもできます。曲線や穴のあるスラブは、データのインポート中にViswalk で使用できるよう自動的に最適化されます
- [COM interface]-[COMインターフェイス] (COMインターフェイスの使用)
スクリプトインターフェイス COM(コンポーネント オブジェクト モデル)を使用して、Vissim ネットワークのすべてのネットワークオブジェクトとその属性にアクセスできます。COMでは、Vissim を自動化できるとともに、Vissim ユーザーインターフェイスを越えたアプリケーションの拡張機能を利用できます。さらに、COMインターフェイスには、イベントベースのスクリプトがあり、ここではシミュレーションのさまざまな状態に反応し、埋め込みスクリプトでシミュレーションに影響を与えるシステムのシミュレーションが可能です。
COMは、Python、VBS、JavaScriptなど、各種プログラミング言語をサポートしています。
COMインターフェイスの解説については、 あなたの Vissimインストレーションのディレクトリ..\Doc\Eng\のドキュメントVissim <VersionNo> - COM Intro.pdfを参照してください。
COMインターフェイスはAPIですが、APIアドオンモジュールの一部です。
- [Dynamic assignment]-[動的配分] (動的配分の使用)
動的配分モジュールでは、利用可能な経路に車両を自動的に配分します。出発地と目的地(OD)マトリックスとゾーンに割り当てる駐車場のみ事前定義しておく必要があります。静的経路は必ずしも手動で入力する必要はありません。
動的配分では、連続した一連シミュレーション実行の間、車両は、シミュレーション実行ごとに増加する多くの経路を使用します。Vissim では、その平均旅行時間を計算します。この情報から、Vissim は、旅行時間、経路の長さ、通行量などのコストといった車両固有の要因を利用して経路上の車両の分布を絶えず調整します。
目的地の駐車場、経路、反復の選択にはパラメータを使用できます。さらに、経路案内システムと駐車管理システムをモデル化できます。
- 排出
EnViVer Proは、車両の記録データに基づいて排出を計算するために使用するツールです。これは、マイクロスコピックな排出、排出モデルVERSIT+ by TNOが基本になっています。このモデルは、約2800台の車両から集めたデータに基づいています。これらの車両の排出は、さまざまな運転状態で計測しました。EnViVer Proは、Vissim 車両記録をインポートし、エリアごとに詳細なCO2、NOx、PM10の排出量を計算します。結果は表や図表に出力できます。
- EnViVer Enterprise
EnViVer Proの機能に加え、EnViVer Enterpriseでは、追加の車両クラスのモデリング、個別の時間枠、ならびに複数の入力ファイルの自動処理も実行できます。
ボッシュ式排出量データに基づいて計算した排出量。排出クラス分布を各車両タイプに割り当てることができます。シミュレーション実行の間に、車両をVissim ネットワークに挿入すると、その車両クラスに割り当てた排出クラスがその車両に割り当てられます。結果は評価に記録でき、ネットワークエディターのリンクに表示できます。
- 陸上需要ジェネレーター
外部フライトデータ(フライトスケジュール、乗客到着時間パターンなど)を、Vissim で使用して、空港ターミナルの陸上道路交通をモデル化し、シミュレートするデータに変換する半自動ワークフローのスクリプトベースのソリューションです。こうして得られた需要データは、適切に準備されたVissim ネットワークに書き込まれ、それによってユーザーは車両交通をシミュレートすることができます。需要データは、フライトプランと特別なExcelワークブックに保存されたその他の空港関連データから生成されます。Vissim ネットワークがいったんモデル化されて構成されると、フライト関連需要の変更をVissim ネットワークで行う必要がなくなります。Vissim と Vissim ネットワークの需要モデルジェネレーターによって変更されたデータはスクリプトによって1ステップで更新されます。
- [Managed lanes]‐[管理車線] (通行料金と管理レーンの定義)
ユーザーは通行料金リンクと無料通行リンクを定義できます。決定モデルと価格モデルはいずれも通行料金価格モデルのために定義できます。
- [Mesoscopic simulation]-[メソスコピックシミュレーション] (メソスコピックシミュレーションの使用)
このモジュールを使用すると、マイクロスコピックシミュレーションと比べて、大規模なネットワークのシミュレーションを大幅に速く実行することができます。この場合でも、運転挙動は個々の車両と、10分の1秒などの時間分解能に基づいています。違いは、個々の車両を各時間ステップではなく、イベント発生時にのみ観察するという点にあります。たとえば、車両がルートの終端に到達してノードを横切った場合、あるいは信号コントローラーが青色に切り替わった場合などが、このイベントに該当します。
メゾスコピックシミュレーションの主な利点は、シミュレーション速度の向上と、ネットワークの作成およびキャリブレーションに必要な時間の短縮にあります。
ネットワークのあるエリアにおいて、すべての詳細を含むマイクロスコピックシミュレーションが必要な場合は、ハイブリッドシミュレーションを使用できます。ハイブリッドシミュレーションでは、1つあるいは複数のセクションを選択してマイクロスコピックシミュレーションを実行し、ネットワークの残りの部分ではメゾスコピックシミュレーションを行うことができます。
- [Synchro Import]-[Synchroのインポート] (Synchroからのデータのインポート)
このモジュールを使用すると、SynchroからVissimのモデルを生成できます。ネットワークの形状、ボリューム、ターン、車両構成および信号設定がインポートされます。 このモジュールは、適応型インポートに対応しています。つまり、より新しいバージョンのSynchroモデルをインポートしても、Vissimで行った変更が失われることはありません。
- [PTV Viswalk] (歩行者シミュレーション)
Viswalkは、スタンドアロンのソリューションとして、あるいはVissimと併用して、専門的な歩行者シミュレーションのために使用されます。この動的モデルは、1995年に、特にDirk Helbing教授によって開発されたソーシャルフォースモデルに基づいています。これを利用すると、ネットワークモデルで歩行者の軌道を予め定義しなくても、歩行者が目的地まで自力で歩行することができます。
方向を指定したルート(エリアではなく)に基づくシンプルな歩行者シミュレーションは、Vissimに組み入れられています。これは、車両シミュレーションと同様に、Wiedemann教授の自動車追従モデルに基づいています。Viswalkモジュールは必要ありません。
信号コントローラー(基本)
信号グループベース(別名「フェーズベース」)固定時間信号コントローラー。北米市場の、RBC Level 1を含みます。
信号コントローラー(拡張)
PTV(Vissig、VAP & VisVAP、Balance、Epics)が開発した信号コントローラーを搭載。北米市場の、RBC Level 3を含みます。
- Vissig (信号コントローラーエディターを開き使用)
Vissigは、ステージベースの固定時間信号制御を追加で備えており、信号グループベース(別名「フェーズベース」の)(基本的VissimバージョンとVisumモジュール[Junction editor and control]-[ジャンクションエディターおよびコントロール]に含まれます)の固定時間制御を補完します。Vissigには、ステージとステージ間を定義するためのグラフィカルエディタが備わっています。ステージ間は、Vissigによって自動的に生成することもできます。当然の機能が提供されているだけでなく、この信号プログラムエディタでは、ステージとステージ間を簡単に延長したり短縮したりすることもできます。 さらに、Vissigは、VAPと互換性のある信号データをPUAフォーマットでエクスポートするためのインターフェイスも提供しているため、生成されたステージとステージ間に基づいて、VAPによるトラフィック依存型の信号制御を簡単に生成することができます。 信号計画情報はすべて、Microsoft Excelにエクスポートし、レポートに簡単に追加できます。
- [VAP Controller (traffic dependent programming)]-[VAPコントローラー(交通依存プログラミング)] (アドオンモジュール、交通依存型VAPプログラミング)
VAPでは、Vissimでプログラム可能な車両感応式信号制御(信号コントローラー)をシミュレートできます。それは、ステージと信号グループの両方に基づく信号制御で利用可能です。Vissimのシミュレーション実行中またはテストモードで、VAPは信号のロジックコマンドを解釈し、信号制御のための信号制御コマンドを生成します。このコマンドがネットワーク内で有効となります。反対に、感知器のパラメータはVissimから読み込まれ、ロジックで処理されます。
VAPプログラムロジックは、シンプルなプログラミング言語でテキストファイル(*.vap)に記述されます。またこれは、VisVAPからエクスポートすることもできます。信号データファイル(*.pua)は、Vissigから簡単にエクスポートすることも、テキストエディタで手作業で作成することもできます。
VAPの応用範囲は、公共交通の優先順位の個々のノードの制御から、コリドーやサブネットワーク全体の制御システムにまで及びます。さらに、可変情報表示装置(VMS)や一時的な横車線のクリアランスなど、ITSの分野にもすぐに応用できます。
- VisVAP (VisVAPによるグラフィック表示とフロー図の編集)
VAPのフローチャートエディタ:VisVAP(Visual VAPの略称)は、VAP信号コントローラーのプログラムロジックをフローチャートとして定義するための使いやすいツールです。 すべてのVAPコマンドが関数ライブラリにリスト表示されています。エクスポート機能を使用してユーザーは、追加の変更の保存先のVAPファイルを生成できます。 さらに、VisVAPでは、Vissimでのシミュレーション実行中にユーザーが制御ロジックを使用して、順を追ってそれを実行できるデバッグ機能が提供されています。また、ロジックで使用されているすべてのパラメータの現行値も表示されます。 VisVapを起動するには、[Start]‐[開始] メニューから >PTV Vision プログラムグループを選択します。
- Balance/Epics (バランス-中央信号制御手順の使用)
PTV Balanceは、Vissimに完全に統合されている、包括的で定評のある適応型交通ネットワーク制御ソフトウェアです。ローカルな適応型ノードコントロールPTV Epicsとの併用によるか、または単独で、シミュレーションの現在の感知器データに基づいて、5分ごとにシミュレーションネットワーク内のすべてのノードの新たな信号計画を計算します。
モジュールbalance/epicsでは、実際のアプリケーションと同様に、VissimでPTV Balanceをシミュレートできます。PTV Visumには、道路ネットワークと輸送需要データをPTV Balanceに提供する役割があります。PTV Balanceの信号化関連パラメータは、Vissigの拡張バージョンに付属しています。PTV Balanceには、ウェブベースのユーザーフレンドリな プログラムインターフェイスがあります。このインターフェイスでは、計算した交通パラメータをVissimでシミュレートした車両と直接比較することができます。さらに、この機能ではフォーマット設定が一切含まれていないため、PTV Balanceによる実環境ネットワークの制御プロジェクトに対しても使用することができます。
PTV Epics は、公共交通に特に焦点を当てたローカルな、適応信号コントロールです。固定時間またはVAP信号制御の代わりに使用することができます。これは、Vissimを使ってシミュレートできます。毎秒、PTV Epicsの数理最適化関数がその時点の感知器のデータを使用して、次の100秒間の最適な信号計画を計算します。その後、この信号計画がVissimに転送されます。PTV Epicsに必要なすべてのパラメータは、Vissigの拡張板によって提供されます。すべての交通モード(民間、公共、歩行者)は、同様に扱われますが、それぞれの重み付けは事なります。そのため、公共交通の加速度をPTV Epicsで特に簡単に実装できます。
- RBC , (環状障壁コントローラーの使用)
環状障壁コントローラー3:このモジュールでは、PTV Vissimが北米規格の「環状障壁コントローラー」手順に従って制御される信号コントローラーをシミュレートできます。ここには、RBCパラメータの専用ユーザーインターフェイスが用意されています。
外部の信号コントローラー
以下の信号コントローラーは、 [External signal controllers]-[外部信号コントローラー]のアドオンモジュールの一部です。
- [External signal controllers]-[外部信号コントローラー] (アドオンモジュール外部信号制御信号コントローラー)
このモジュールでは、独立した実行可能アプリケーション(*.exe)やプログラムライブラリ(*.dll)として利用できる、信号制御の手順をシミュレートできます。これらは、PTV GROUPや他のプロバイダーによって用意された標準手順の場合もあれば、APIモジュールを使って社内で開発された手順の場合もあります。
- ]Fourth Dimension D4]-[4次元D4] (アドオンモジュールFourth Dimension)
D4交通信号コントローラーソフトウェアとのインターフェイス
- [LISA+ OMTC] (アドオンモジュールLISA+ OMTC)
Schlothauer companyのLISA+手順を記述した信号コントローラーとのインターフェイス ユーザーインターフェイス制御パラメータエントリなど実際の制御DLLは、Schlothauer companyから入手してください。
- [McCain 2033] (アドオンモジュールMcCain 2033)
McCain 2033交差点制御ソフトウェアとのインターフェイス。2070コントローラーで実行するこのソフトウェアには、さまざまな交通制御アプリケーションを制御できる多彩な機能やユーザーフレンドリなディスプレイが用意されています。
- [SCATS interface]-[SCATSインターフェイス] (アドオンモジュールSCATS)
このモジュールは、オーストラリアのSCATS手順に従って指定された信号制御をシミュレーションするために使用されます。実際の制御DLLとコントローラーパラメータの入力のためのGUI(SCATS.DLL、SCATS_GUI.DLL、WinTraff、ScatSim)は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のRoads and Maritime Servicesから入手してください。
- [SCOOT interface-[SCOOTインターフェイス] (アドオンモジュールSCOOT)
SCOOTインターフェイスでは、英国SCOOT手順に沿って指定された信号制御をシミュレートします。実際の制御DLLとコントローラーパラメータのGUI(SCOOT.DLL、SCOOT_GUI.DLL、PCScoot)は、Siemens UKから取得できます。
- [SIEMENS VA] (アドオンモジュールSiemens VA(TL / Siemens VS-PLUS))
SIEMENS信号コントローラーのインターフェイス。交通ジャンクションの信号コントローラーをSiTraffic Officeで制御します。
- [TRENDS] (アドオンモジュールTRENDSの使用)
TRENDS信号コントローラーののインターフェイス。TRENDS DLLファイルとGUI DLLファイルは、GEVAS Software GmbH, Munichから入手できます。
- [VS-PLUS] (アドオンモジュールVS-Plus)
VS-Plus信号コントローラーのインターフェイス。全面的に交通感応式制御の個々の交差点と半交通感応の調整されたリンクとネットワークの交通感応式コントロールソフトウェアVS-PLUS。実際のDLLとGUI DLLは、VS-Plus AG、Switzerlandから入手できます。
その他の信号コントローラー
- [Econolite ASC/3] (アドオンモジュールEconolite ASC/3)
このモジュールでは、EconoliteのASC/3北米向けコントローラーデバイスで動作する信号コントローラーをシミュレーションすることができます。制御パラメータエントリの専用ユーザーインターフェイスは、アドオンモジュール[External signal controllers]-[外部信号コントローラー]にあります。
プログラミングインターフェイス
- [API Package]-[APIパッケージ]アプリケーションプログラマーのインターフェイス(プログラミングインターフェイス(API)):
SignalControl、SignalGUI、DriverModel、EmissionModel.DLLファイル。APIパッケージでは、ユーザー独自または外部のアプリケーションを統合して、PTV Vissimシミュレーションに反映することができます
[Driving simulator interface]-[運転シミュレーターインターフェイス]
このアドオンモジュールでは、Vissimと運転シミュレーターを結合できます(運転シミュレーターのネットワーク設定)。ここには、サイクリスト交通と歩行者交通をシミュレートする運転シミュレーターが組み込まれています。運転シミュレーターは、ユーザーによるハードウェア制御、または1台以上の自律車両のアルゴリズムを表すソフトウェア制御のどちらでも可能です。
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