歩行者シミュレーション

デフォルトでの車両のシミュレーションに加え、Vissimを使用してWiedemannのモデルに基づいた歩行者のシミュレーションを実行することもできます(歩行者シミュレーションのバージョン特有の機能)

ただし、スタンドアロン製品のPTV Viswalkで実行できるのは、車両なしのHelbingに基づく歩行者シミュレーションとなります。車両と歩行者をシミュレーションするには、VissimとアドオンモジュールPTV Viswalkが必要です。そうすれば、HelbingとWiedemannのどちらのモデリングアプローチを利用するか選択することができます。

ソーシャルフォースモデルにおける歩行者の動き

VissimViswalkにおける歩行者の動きはそれぞれ、ソーシャルフォースモデルに基づいています(HelbingおよびMolnár、1995年)。ソーシャルフォースモデルの基本原理は、ニュートン力学に似た歩行者の動きの基本的誘発因子のモデリングです。社会的、心理学的および物理的フォースが総合的なフォースとなり、最終的に完全な物理的パラメータ、[Acceleration]-[加速] となります。これらのフォースは、歩行者がゴールにたどり着きたいという欲求、その他の歩行者の影響および環境にある障害物から発生します。

Dirk Helbing博士は、PTV GROUPの科学的アドバイザーです。PTV GROUPと協力し、Helbing博士は、特にViswalkで利用できるよう、ソーシャルフォースモデルを拡充しました。このシミュレーションモデルは、3つの方法で検証されています。

まず、マイクロスコピックパラメータが計算され、経験的データに合わせて調整されました。次に、車線形成(逆流)およびストライプ形成(横断)などのマイクロスコピック効果が再現されることが確認されました。結果として得られたアニメーションは、できる限りリアルに表示する必要があります。

歩行者の挙動は、3つの階層レベルに分割することができます(Hoogendoorn et al.2002年):

  • 分から時間の戦略的レベルでは、歩行者は自身のルートを計画し、目的地のリストを生成します。
  • 秒から分の戦術的レベルでは、歩行者は目的地の間のルートを選択します。こうすることで、歩行者はネットワークを考慮します。
  • ミリ秒から秒の運用レベルでは、歩行者は実際の動きを実行します。このようにして向かってくる歩行者を回避したり、人混みを縫って移動したり、あるいは単純に目的地までの移動を続けることができます。

ソーシャルフォースモデルは、運用レベルおよび一部の戦術的レベルを制御します。ユーザーが戦略的レベルの設定を定義します。