動的配分の使用

注意: アドオンモジュールのライセンスが必要です。

動的配分を使用すると、交通需要は、特定のリンクの特定の交通量での車両のインプットを使用して指定されるのではなく、1つ以上の出発地-目的地マトリックスの形式で指定されます。その後、ルートおよび車両のインプットを手動で作成しなくても、道路ネットワークをシミュレーションすることができます。出発地-目的地マトリックスでは、旅行の始点と終点、ならびにこれらの位置の間の旅行数を指定します。このとき、出発地-目的地マトリックスのディメンションはゾーンの二乗の数となります。

Vissimでは、動的配分は、交通流シミュレーションを繰り返し適用することによって実行されます。

動的配分に関する用語

動的配分に関連して、次の用語が使用されます。

  • [Routes]-[ルート]: 車両経路として手動で定義された静的なルート順序 (車両経路、部分的車両経路および経路決定のモデリング)
  • [Paths]-[経路]: 動的配分を使って計算されたエッジ順序(経路検索の属性), (経路選択の属性)
  • [Costs]-[コスト]:正確な金銭的コスト。これは、旅行時間や旅行距離ではない一般的コストの構成エレメントです。「コスト」という用語は、混同の余地がない文脈では、一般的コストを示す用語としても使われます(経路選択のベースとしてのコストを計算するための属性)
  • [General cost]-[一般的コスト]:旅行時間、旅行距離および金銭的コストの重み付けされた合計。一般的コストは、決定モデルにおける経路選択のユーティリティー関数のベースとしての役割を果たします(経路選択における一般的コスト、旅行距離、金銭的コスト)
  • [Travel time]-[旅行時間]:現在のシミュレーションにおいて、車両が経路またはエッジを通過するために必要とする平均時間。
  • [Smoothed travel time]-[平滑化された旅行時間]:一連の反復の中で測定された旅行時間の指数平滑化によって計算されます。平滑化された旅行時間は、一般的なコスト関数において使用されます。
  • [Expected travel time]-[予測される旅行時間]:シミュレーション実行中に実際に測定された旅行時間と、経路選択決定において予測される旅行時間の差を表す際に使用されます。

動的配分中は、ネットワーク全体のシミュレーションに、マイクロスコピックシミュレーションまたはメソスコピックシミュレーションを使用できます (メソスコピックシミュレーションの使用)。メソスコピックシミュレーションでの動的配分の使用を選択した場合、Vissimのネットワークの1つあるいは複数のセクションをマイクロスコピックにシミュレーションすることもできます (ハイブリッドシミュレーションの使用)

動的配分では、有料道路の料金計算が考慮されます(動的配分を使用した通行料金の計算).

  • 動的配分のシンプルな使用事例は、次のディレクトリの3 Paths.inpxファイルでご覧いただけます。

..\Examples Training\Dynamic Assignment\3 Paths

  • 迂回路のある動的配分のシンプルな使用事例は、次のディレクトリのdetour.inpファイルでご覧いただけます。

..\Examples Training\Dynamic Assignment\Detour

  • 空港ターミナルまたは鉄道駅の降車ゾーンに関する動的配分のシンプルな使用事例は、次のディレクトリのDrop-off zone.inpxファイルでご覧いただけます。

..\Examples Training\Dynamic Assignment\Drop-off Zone.Trip Chains.inpx

  • 実際の駐車場による動的配分の使用事例は、次のディレクトリのParking Search - Real Parking Spaces.inpxファイルでご覧いただけます。

..\Examples Training\Dynamic Assignment\Parking Search - Real Parking Spaces.inpx