環境影響評価の実行
環境影響評価を実行するために、車両の排気に関するデータが必要となる場合があります。Vissimを使用し、次のオプションで車両の排気ガスを計算できます。
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注意: 排出量計算には、アドオンモジュールが必要です (アドオンモジュールの概要)。アドオンモジュールのライセンスが必要です。 |
Bosch Cloud Serviceで正確な排出量を計算します。
アドオンモジュールBoschでは、全シミュレーション実行の終了後、Bosch CloudのサービスESTMで計算したVissimネットワーク内の車両の排出量が得られます。評価結果を記録して、リンク上で視覚化できます。
クイックスタートガイドでは、排出量の計算に最も重要なステップを要約しますVissim (クイックスタートガイド 排出クラスに基づいた排出計算)。
アドオンモジュールBoschなしのアドオンモジュール [Emissions]‐[排出量] では、ボッシュの排出計算を示すVissimネットワークを開くことができ、それらの結果を表示することができます。さらに、定義した排出量クラス分布と事前定義した排出クラスを表示できます。
車両を分類する排出クラス
Boschは、さまざまな車両カテゴリの排出データをVissimのJSONファイルで提供します。JSONファイルは、Vissimのインストレーションの一部としてインストレーションディレクトリに保存されます。Vissimは、このファイルにアクセスします。このファイルで、排出データは排出クラスによって仕分けられます。排出データは、それぞれのエレメント、[Emission vehicle category]‐[排出車両カテゴリ]、[Emission vehicle class]‐[排出車両クラス]、[Emission stage]‐[排出ステージ]、[Fuel type]‐[燃料タイプ]、[Size class]‐[サイズクラス]、[Use class]‐[使用クラス] の値によって異なります。これら6つのエレメントを基に、さまざまな排出クラスが生まれ、排出量によって車両を区別することができます。
以下の排出クラスには、以下の内容が適用されます:
- 排出ステージEUIVの排出クラスの商用車(HDV、LCV)、または新しい車両はディーゼル微粒子フィルター(DPF)を備えます。
- EU5排出標準の乗用車ディーゼル車両はDPFを備えます。
- EU4の乗用車(PC)では、DPF(燃料タイプD_DPF)付きの車両とDPF(燃料タイプD)なしの車両の区別があります。排出クラスEU4付きで燃料タイプD_MWの乗用車ディーゼル車両では、車両登録に基づいた加重平均に従って排出量を計算します。
車両タイプでの排出クラスの構成比の設定
異なる排出クラスの車両が、Vissimで同じ 車両タイプに所属することがあるため、排出クラス分布における各排出クラスの相対的構成比を指定します(排出クラス分布の定義).これによって、排出量を計算する車両タイプごとに適切な排出クラス分布を定義することができます。車両タイプに排出クラス分布を割り当てます(車両タイプ別排出計算の構成)。シミュレーション実行を開始し、ある排出クラス分布が割り当てられた車両タイプの車両をVissimネットワークに挿入すると、その車両には、その分布から排出クラスが割り当てられます。
HBEFAに基づいて事前定義された排出クラス分布の使用
HBEFAに基づいて代表的隊列構成の排出クラス分布が事前定義されたVissimネットワークファイル HBEFA_EmissionClassDistributions.inpxは、デフォルトでは、あなたのVissimインストレーションのExamples Training\Vehicle Fleet & Settings Defaults(サンプルトレーニング\車両フリートと設定のデフォルト) の下に見つかります。このファイルには、168件の分布が収められています:ヨーロッパ6か国用に28件。これらの分布は、[Urban]‐[都市]、[Rural]‐[田舎]、[Motorway]‐[高速道路]、[Average]‐[平均] に分かれています。このネットワークファイルから、さらに排出クラス分布をVissimネットワークに読み取ることができます(ネットワークの追加読み込み)。すべての分布のインポートには時間がかかる場合があります。適切な排出クラス分布を、Vissimで排出量を計算される各車両タイプに割り当てます (車両タイプ別排出計算の構成)。
HBEFAで定義された車両タイプをVissimで排出クラス分布内のボシュ排出クラスに明確に割り当てることができない場合、Vissimでは、この車両タイプの構成比が分布内の他の排出クラスに配分されます。
排出計算と評価
シミュレーション実行を開始する前に、[Evaluation Configuration]‐[評価の構成] ウィンドウでボッシュの排出計算を有効にします(評価の実行)。
シミュレーション実行の間、排出量を計算される車両タイプの車両ごとに、Vissimでは、軌道が生成されます。これらの軌道は、排出量をを計算するため、シミュレーション実行の完了時の最後にVissimによってESTMに送信されます。
軌道には、車両の識別情報と排出クラス、そして車両の速度(km/h)と傾き(%)とともに毎秒記録される中間地点のデータが含まれます。反転走行する車両は記録されません。
排出を出さない車両は、[Emission free]‐[排出ゼロ] 排出クラスと見なされます。これらの車両に軌道は生成されないため、データはESTMに送信されません。
ボッシュの排出計算は、Vissimネットワーク内のリンクとコネクターごとに有効化と無効化を切り替えることができます(リンクの属性), (コネクターの属性)。無効にすると計算速度は削減できます。ただし、Vissimは、無効になったリンクやコネクター上の車両の軌道は生成しません。車両が、ボッシュの排出計算が有効なリンクやコネクターに再び達すると、そのリンクやコネクターの始点から新しい軌道がVissimによって生成されます。軌道開始時には、ボッシュは、排気管の動作温度に基づいた排出量計算データを使用します。これにより、排出量計算結果は、有効化または無効化にされたリンクやコネクターがあるいくつかのVissimネットワークセクションを車両が通過しても、排出管のさまざまな動作温度による影響は受けません。
計算時間は、データ量によって異なり、数分かかる場合があります。計算された排出量はVissimに戻されます。このデータの送受信にはインターネット接続が必要です。その目的で、Windowsプロキシサーバー設定を使用します。
タイムアウトのために完了前にデータの転送が停止すると、Vissimでは、排出データがない軌道部分が表示されます。転送されたデータは、Vissimによる評価に利用できます。
計算結果は、燃費と以下の排出量のために転送されます:一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、燃焼炭化水素、粒子状物質。これらは、以下の評価において記録できます:
- リンクセグメントごとリンク評価で集約された評価 (リスト内のリンクからのデータの表示)
- 車両ネットワークパフォーマンス評価においてネットワーク全体で車両クラスごとに集約された評価 (車両ネットワークパフォーマンス:結果リスト内のネットワークパフォーマンス結果(車両)の表示)。
ネットワークエディターで、結果はリンク上で視覚化できます(リンクバーや車線のグラフィックパラメータ), (集約したパラメータに基づいたリンクへのカラーの割り当て)。結果は図表に表示することもできます(図表の作成)。
排出量が計算されず、Vissimに戻らなかった場合、それらの値 = 0です。
Vissimにおけるボッシュの排出計算に関するメッセージには、排出クラスの属性のコンマ区切りの値が示されることがあります。これらの値は、以下の順序で表示されます:車両カテゴリ、排出車両クラス、排出ステージ、燃料タイプ、サイズクラス、使用クラス。属性に値を設定しなければ、メッセージではその箇所に、"、- ,"と表示されます。
エンジンの燃料タイプによっては、車両がVissimネットワークに入ってしばらくしないと車両の排気管は動作温度に達しないことが排出量計算で考慮されます。これは、駐車後に駐車場を前進で出る車両にも適用されます。最大時間間隔は、約2分です。さらに、排出量計算では、停留所で待機している公共交通車両の排気管は温かいことも考慮します。車両の排出量を計算したいVissimネットワークのエリアに車両が入るときに、排気管が必ず動作温度になっているようにしておきたい場合は、車両が上流に挿入されるリンクを延長し、それに応じて車両インプットを位置決めします。これは、出発地の駐車場の動的配分で対応適用されます。
排出計算の制限事項
以下の条件下では排出量は計算されません:
- 車両が駐車場の駐車スペースに駐車しているとき
- 車両が隊列を組んだ小隊中の車両であるとき
- 駐車スペースから反転またはバックで出るとき
- メソスコピックシミュレーション中
ノード評価による簡易排出量決定
ノード評価によっても排気ガスが判断されます (ノードの評価)。このベースは、信号時間を最適化するプログラムTRANSYT 7-Fによる車両の消費値の標準公式、ならびに米国エネルギー省のオークリッジ国立研究所による排気ガスのデータによるものです。データは、一般的な北米の車両群を示すものであり、個々の車両タイプは区別されません。これにより、ノード評価を利用してさまざまなシナリオで発生した排気をよりシンプルに比較することができます。
EnViVer ProまたはEnViVer Enterpriseによる正確な方法
EnViVer Proは、Vissimからの車両の詳細な記録データに基づいて排気ガスを計算するために使用するプログラムです。このアドオンモジュールを使用し、個々の車両タイプの排気ガスを判断することができます。
EnViVer ProおよびEnViVer Enterpriseの統計的排出モデルでは、各種車両カテゴリーのCO2、NOxおよびPM10の排出に関する現実的な値を計算します。計算された排気は、車両の速度-時間プロファイルに基づきます。排気モデルは、毎年更新され、今後の計算に備えて保持されます。更新により、新しい排気モデルが追加され、既存のモデルが利用可能であれば、更新されます。その後、EnViVer ProおよびEnViVer Enterpriseは、現行および過去の排気モデルを提供し、値の比較や再計算を簡単に行えるようにします (アドオンモジュールの概要)。VissimのためのEnViVer ProおよびEnViVer Enterpriseの購入についてご不明な点があれば、PTV GROUPのこちらのメールアドレス宛にお問い合わせください:traffic.info@ptvgroup.com。製品に関する情報については、プロバイダー、TNO(www.tno.nl)のウェブサイトを参照してください。
EmissionModel.dllによるCOMインターフェイスまたはAPIアプローチ
このアプローチでは、COMインターフェイスを使用するためにEmissionModel.dllファイルを作成したり、ご自身でスクリプトを書いたりする必要があるため、プログラミングの知識が必要となります。それにより、独自の計算アルゴリズムやシミュレーションデータを入力として使用することができます。
EmissionModel.dllファイル
排気を計算するために、ファイルEmissionModel.dllにアクセスできます (排気を計算するためのEmissionModel.dllへのアクセス)。EmissionModel.dllを提供する必要があります。これは、Vissimには付属していません。すべての車両および各シミュレーション時間ステップごとに、インターフェイス経由で次のデータが転送されます。
- 加速
- 速度
- 重量
- ID番号
- 車両タイプ
- 勾配
COMインターフェイス
排気を計算するために、独自のスクリプトを作成したり、独自のアプリケーションをVissimに統合することができます。COM インターフェイスを使用し、各時間ステップごとに、車両の位置、速度、加速など、すべてのVissim属性にアクセスできます (COMインターフェイスの使用)。
騒音計算
騒音計算は、CADNAまたはSoundPLANなどの特殊な外部ソフトウェアを使用して実行されます。Vissimは、これらのプログラムに対して具体的な入力データを提供できます。あるいは、COMポートを使用し、独自のスクリプトを書くか、独自のアプリケーションをVissimに組み込んで、騒音放出の計算を行うこともできます (COMインターフェイスの使用)。
環境汚染の計算
濃度値により、人間の健康や自然環境に影響する環境干渉因子の影響を判別します。濃度値は、Vissimでは計算されません。濃度値計算に特化した外部のソフトウェアプログラムで計算してください。Vissimは、これらのプログラムに対して具体的な入力データを提供できます。
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