駐車場とゾーンのモデリング

動的配分では、車両の出発点と目的地点を駐車場内に配置する必要があります。1つの駐車場は、必ず1つのゾーンにのみ配分されます。このゾーンを出発するかまたはこのゾーンで終わるトリップは、この駐車場を開始または終了点とすることができます。1つのゾーンには複数の駐車場が存在する場合があります。目的の駐車場への分配によって、出発する交通を定義します。あるゾーンの複数の駐車場にまたがる目的地交通の分布は、駐車場選択モデルによって計算されます (目的地駐車場選択の定義)。車両の出発地点と目的地点がゾーンに割り当てられた駐車場にあることから、Vissimは出発地ゾーンと目的地ゾーンを区別します。出発地ゾーンと目的地ゾーンの関係を [OD pairs]-[ODペア] リストに表示することができます (ODペアの属性)。シミュレーション実行中に出発地ゾーンと目的地ゾーンの間で作成された結果属性を [OD pairs]-[ODペア] 評価に入力し、[OD Pair Results]-[ODペアの結果] リストに表示できます (リスト内のODペアデータの表示)

ある地区の駐車場から同じ地区内の別の駐車場まで車両を走行させたい場合に、Vissimによって1つの経路が検索されると、シミュレーションには、このOD関係のこの地区全体の交通が入ります。同じ地区内に他の駐車場がない場合でも、車両が出発地の駐車場に戻ることはありません。

ある駐車場を出発する交通は、車両インプットによって生成された交通と同じような挙動をとります (自家用交通の車両インプットのモデリング)。ただし、車両構成は駐車場で指定されるのではなく、この駐車場内の交通を生成する出発値-目的地マトリックスの車両構成から生じます。

希望車両速度は、マトリックス内の車両構成で指定された分布から取得されるのではなく、駐車場属性で選択するデフォルトの希望速度分布から取得されます。さらに、定義された希望速度分布に個別の車両クラスを配分することもできます。

駐車場での希望速度により、駐車場エリア内のさまざまな速度制限を考慮に入れることができます。

Vissimは、シミュレーション開始時よりネットワーク内の車両を使用します。このため、車両が出発地の駐車場を出発したときにCOMインターフェース経由で車両に経路を配分することができます。

出発地駐車場に挿入される車の数は、出発地-目的地マトリックスに記載されている値に対応します。出発地駐車場は、動的配分のパラメータの[Choice]-[選択]タブの[Use volume (old)]-[交通量使用(旧)]属性が選択されているかどうかに基づいて選択されます。

  • [Use volume (old)]-[交通使用(旧)]属性が選択されていない場合、出発地駐車場は、車両が出発するゾーンの駐車場の[Rel. volume]-[相対交通量]属性に基づいて選択されます。
  • [Use volume (old)]-[交通量使用(旧)]属性が選択されている場合は、*.weg経路ファイルで指定された交通量に基づいて出発地駐車場が選択されます。[Rel. volume]-[相対交通量]属性は考慮されません。経路交通量の時間間隔は、[From-time]-[出発地時間][To-time]-[目的地時間]属性で出発地-目的地マトリックスに定義された時間ウィンドウと異なる場合があります。これが、*.weg経路ファイルから採用された経路交通量は、出発地-目的地マトリックスの有効期間内にある時間間隔の一部を使用してスケーリングされる理由です。このスケーリングされた経路交通量は、ODペアの目的地ゾーンにつながるすべての時間間隔と経路のものが合計されます。これは、駐車場の相対交通量に相当します。ODペアの出発地ゾーンのすべての駐車場の相対交通量の合計が、駐車場の選択確率を計算するために必要な正規化係数です。確率の合計が0であれば、駐車場は選択されず、このゾーンで車両は使用されません。

以下の場合、駐車場に対する相対交通量は0となります。

  • 駐車場と目的地ゾーンの駐車場との間に経路が存在しない場合
  • 駐車場の容量を使い果たした場合

出発地の駐車場が[Real parking spaces]-[実際の駐車スペース]タイプであり、駐車場の容量に達してる場合、この車両はネットワークには追加されません。