エレベーターのモデリング

歩行者の垂直輸送用にエレベーターを定義できます。エレベーターのモデリングとシミュレーションは、次のエレメントに基づきます。

エレベーター

[elevator]-[エレベーター] は、2Dモードでは長方形のネットワークオブジェクト(1)として定義され表示されるネットワークオブジェクトです (エレベーターの定義)。長方形には、シャフトとキャビン(2)が含まれます。エレベーターのキャビンはシャフト内で移動します。シャフトの外壁とキャビンの間には30 cmの距離(茶色のエリア)があります。エレベーターの床の厚さは 10 cm です。シャフトは、エレベーターの属性[Shaft display type-[シャフト表示タイプ]に基づいて表示されます。

  • キャビン

エレベーターキャビンは乗員を収容します。キャビンは、エレベーターの一部であり、別個のネットワークオブジェクトではありません。キャビンの表示を定義するには、次のエレベーター属性を使用できます:[Floor display type]-[フロアの表示タイプ][Ceiling display type]-[天井の表示タイプ][Wall display type]-[壁の表示タイプ] (エレベーターの属性)。エレベーターの属性には、キャビンの高さや容量など、キャビンの追加属性が含まれます。キャビンの中では、固有の歩行挙動が普通です (エレベーター使用時の歩行者の歩行挙動)

  • ドア

ドアはエレベーターの一部です。別個のネットワークオブジェクトではありません。キャビンの4つの壁(底壁の図中)のそれぞれにドアを定義できます。ドアは、壁の中央の細い線で表示されます。ドアは次のように自動的に配置されます。

  • ネットワークエディタでエレベーターの長方形を作成した際、エレベーターの最初の壁に配置(エレベーターの定義)
  • ネットワークエディター内で、ショートカットメニューから [Add New Elevator]-[新規エレベーターを追加] をクリックした場合は、エレベーターの底壁に配置。デフォルトでは、エレベーターは正方形です。

エレベーターの [Door display type]-[ドアの表示タイプ] 属性を使用してドアの表示を定義できます (エレベーターの属性)。エレベーターの壁におけるドアの幅と水平位置は、ドアの属性 [Width]-[幅][Center offset (horizontal)]-[中央オフセット-水平方向]で定義できます(エレベータードアの属性)

属性 [Active levels]-[アクティブな階数]ActLvls)では、停止してドアを開ける階数をエレベーターのドアに割り当てることができます (エレベーターの属性)。ドアは、選択した階でのみ開きます。

シミュレーション中は、エレベーターの属性 [Motion state]-[動きの状態]に基づいてアニメーションのドアが開閉します。シャフトドアとキャビンドアは、1つのドアとして表示されます。

エレベーターグループ

[Elevator group]-[エレベーターグループ]は、呼び出し可能なエレベーターで構成されます (エレベーターグループの定義)。それぞれのエレベーターを1つの [Elevator group]-[エレベーターグループ] に割り当てる必要があります (エレベーターグループの属性)。これを実行するには、エレベーター属性 [Elevator group]-[エレベーターグループ]ElevGrp)に目的のエレベーターグループを選択します (エレベーターの属性)

エレベーターグループのすべてのエレベーターが同じ階で停止できなければなりません。これを有効化するために、属性 [Active levels]-[アクティブな階数]ActLvls)では、停止してドアを開ける階数を各エレベーターのドアに割り当てることができます (エレベーターの属性)。割り当てられた各階に [Waiting area]-[待機エリア] が必要です。

待機エリア

歩行者がエレベーターを待つことのできるエリアが必要です。このエリアについては、属性 [Waiting area for elevator group]-[エレベーターグループの待合所] で、歩行者が待機するエレベーターが属するエレベーターグループの番号を選択します (エリアの属性)。待機エリアは、歩行者がエレベーターや、エリア、斜面および階段経由で到達できる別のエリアへ出入りするために使用するエリアとなります。このエリアには歩行者インプットを含めることはできません。

歩行可能エリア

歩行者がエレベーターのキャビンに出入りできるよう、ドアを歩行可能エリアに配置する必要があります。歩行可能エリアに配置されていない場合、シミュレーションは開始されません。エレベーターが停止できる階や、歩行者がエレベーターのキャビンに出入りすることが想定される階に歩行可能エリアが必要です。

歩行者のルートおよび部分的な歩行者のルート

歩行者は、歩行者野ルートまたは部分的な歩行者のルートがある階のエリアから別の階のエリアに続いているか、そこで終わっているかの場合に、エレベーターを使うことで迅速にそのエリアに到達できる場合、エレベーターを使用します。歩行者は、歩行者のルートが中間点なしに1階と4階をつないでいる場合でも、2階と3階のみをつなぐエレベーターも利用します。歩行者は、エリアや歩行可能な構造エレメントを介してエレベーターおよび目的地に到達できる必要があります。歩行者がエレベーターに出入りできるようにするには、エレベーター属性 [Active levels]-[アクティブな階]ActLvls)で、エレベータードアにエレベーターが停止しドアが開くことが想定される階を割り当てる必要があります (エレベーターの属性)。これらの階には、歩行者がエレベーターを待ち、エレベーターに出入りし、目的地に到達することができるエリアが備わっている必要があります。スプライン点を使用して、歩行者ルートまたは部分的歩行者ルートのコースに影響を与えることができます (スプライン点を使用した歩行者ルートのコースのモデリング)

歩行者ルートまたは部分的歩行者ルートのルートロケーションが、エレベーターが停止できる階の待機エリア内にある場合、他のエレベーターグループまたは斜面と階段が利用可能な場合であっても、歩行者はエレベーターグループを使う必要があります。

歩行者ルートまたは部分的歩行者ルートのルートロケーションが斜面または階段の上にある場合に、このルートロケーションに対して属性 [Ban elevator use]-[エレベーター使用禁止] を選択した場合、歩行者はこの属性が選択されていない次のルートロケーションに到達するまで、エレベーターを使用しません (歩行者ルート位置の属性)。つまり、このオプションを使用すると、歩行者にエレベーターではなく階段を使用して複数の階に到達するようできます。この設定を行う際、階段内に多数のスプライン点を設定する必要はありません。

エレベーターは、少なくとも2つの階で運行する必要があります。エレベーターグループのすべてのエレベーターが同じ階で停止できなければなりません。これを有効化するために、属性 [Active levels]-[アクティブ階数]ActLvls)では、停止してドアを開ける階数をエレベーターのドアに割り当てることができます (エレベーターの属性)。ドアは、選択した階でのみ開きます。

エレベーターは、次の場合に階に停止します。

  • 歩行者が降りることを希望:歩行者ルートまたは部分的歩行者ルートがこの階のエリアを経由しているかこの階で終了している場合。
  • 歩行者が乗ることを希望:歩行者ルートまたは部分的歩行者ルートが、このエレベーターが停止してドアを開けることができる別の階のエリアに通じている場合。歩行者が待機している階に待機エリアを定義する必要があります。