公共交通インフラストラクチャのモデリング
歩行者を公共交通に乗車または公共交通から降車する乗客としてモデリングする場合、その乗客は停留所に向かい、そこで公共交通車両を待ち、降車する乗客が車両から出た後に乗車します。降車する乗客は、列車またはバスから降りるとすぐに割り当てられたルートに従って移動します。このようなシナリオは、待機エリア、プラットフォームエッジ、乗車する乗客と降車する乗客の数の定義を使用することによって、簡単にモデリングできます。(クイックスタート:公共交通の乗客としての歩行者の定義)。
デフォルトでは、公共交通停留所、公共交通車両、関連する公共交通路線は、関連するネットワークオブジェクトを使用してモデリングします (公共交通停留所のモデリング)、(車両タイプの使用)、(公共交通路線のモデリング)。
待機エリアとプラットフォームエッジのモデリング
- 歩行者は、公共交通停留所の待機エリアで、使用する公共交通路線の公共交通車両を待ちます。公共交通停留所の待機エリアを定義するには、歩行者エリアを作成し、エントリー [Waiting area]-[待機エリア] を属性 [PT usage]-[公共交通の使用] に割り当てる必要があります (エリアの属性)。待機エリアには複数の公共交通停留所を割り当てることもできます。複数の停留所が割り当てられた待機エリアに乗降客が到着した場合、それらの停留所での乗降客に指定された相対的な量から、乗降客が利用する停留所が決定されます。歩行者が乗車する公共交通路線は、これらの停留所に割り当てられた公共交通路線から決定されます。
- プラットフォームエッジを定義するには、歩行者エリアを作成し、エントリー [Platform edge]-[プラットフォームエッジ] を属性 [Public transport usage]-[公共交通の使用] に割り当てる必要があります (エリアの属性)。複数の公共交通停留所をプラットフォームエッジに割り当てることもできます。
降車する乗客は、利用できる最寄りのプラットフォームエッジに移動します。これは、公共交通車両を離れる際のドアによって異なります。プラットフォームエッジに経路決定が配置されていると、乗客は徒歩での移動を続けます。プラットフォームエッジに経路決定が配置されていない場合は、乗客はネットワークから削除されます。
降車する乗客がプラットフォームエッジに降車し、乗車する乗客がプラットフォームエッジから公共交通車両に乗車できるように、プラットフォームエッジと公共交通停留所のある車線は直接隣接しているか重なっている必要があります。ネットワークエディターで、ショートカットメニューを使用して、公共交通機関の停留所に沿ってプラットフォーム端部を追加できます (プラットホーム端部の追加)。属性 [Left]-[左] と [Right]-[右] は、リンク上の公共交通停留所を定義した方向と並行になる、プラットフォームエッジの位置を指定します。プラットフォームエッジの番号は、公共交通停留所の属性 [Areas]-[エリア] に表示されます。
乗車する乗客が定義されていない公共交通停留所のプラットフォームエッジまたは待機エリアに歩行者が割り当てられると、デフォルト値が生成されます。
- これらのデフォルト値は、プラットフォーム端部をショートカットメニューから追加した場合にも生成されます。
- これらのデフォルト値では、公共交通路線が公共交通停留所で利用可能になったときに、時間間隔0~99,999に待機エリアに到着する各歩行者が公共交通車両に乗車します。
降車する乗客の追加
降車する乗客は [PT Line Stop]-[公共交通路線の停留所] ウィンドウの設定を使用して追加されます (公共交通路線の停留所の編集)。
- 各公共交通路線停留所の路線ごとの降車する乗客の割合を指定します。
- 車両に追加する歩行者タイプに従って、[Alighting composition]-[降車の構成] に対して歩行者構成を選択する必要があります。
乗車する乗客と降車する乗客の挙動
各公共交通停留所では、歩行者が乗車または降車する側を右、左、または両方からと指定できます (公共交通路線の停留所の編集)。デフォルトでは、両側のすべてのドアが使用可能となっています。乗車する乗客は、関連する公共交通停留所の待機エリアで待機します。乗客がやってくるこの待機エリアには、歩行者ルートの目的地が配置されている必要があります。
- 公共交通停留所ごとに乗車する乗客の数によって、待機する乗客が移動に使用する公共交通路線が決まります。これらの公共交通路線のいずれかを出発した車両が公共交通停留所に停車すると、乗客が最寄りのドアに真っ直ぐ移動します。降車する乗客がすべて車両から出ると、歩行者が乗車を開始します。
- 乗客はドアが半分閉じるまで入ることができます。
- 公共交通路線停留所の属性 [Door lock duration before departure]-[出発前扉固定時間] と [Door closure delay]-[閉扉遅延] と車両タイプの [Door closure duration]-[閉扉時間] に応じて、誰も車両に乗らなかった場合でも、出発時間に達すると車両はすぐに公共交通停留所を離れます。出発時刻は、時刻表または事前に設定された停止遅延に基づいています。公共交通路線の [Slack time fraction]-[スラック時間比率] の度合いは、スケジュールされた出発時間に対して考慮されます。
- ドア同士の分布は、乗車する乗客の歩行者エリアの属性 [Boarding location]-[乗車位置] と、降車する乗客の公共交通路線停留所パラメータで選択できます (公共交通路線の停留所の編集)。ここでは、オプション [Late boarding possible]-[遅れ乗車可能] を使用することによって、出発時間がタイムテーブルや事前定義時刻で事前に設定されている公共交通車両が、無制限に続く乗車する乗客の流れにどのように対応するかを指定できます。
- 歩行者は、車両容量などの理由により公共交通車両に乗車できない場合、待機エリアに戻ります。
- 乗車する乗客の割合が指定されていない待機エリアやプラットフォームエッジに公共交通停留所が割り当てられている場合は、乗車する乗客にデフォルト設定が生成されます。これらのデフォルト設定では、この公共交通停留所の待機エリアに訪れた歩行者は、次の公共交通車両が停車した際に乗車します。
公共交通車両のドアの定義
2D車両モデルのドアは、次のプロパティを有します (公共交通車両のドアの定義)。
- 位置(前面から計測)
- 幅
- 車両の2つの側面のいずれか
- それぞれのドアには、乗車のみ、降車のみ、両方の用途を指定できます。
3Dモデルを使用する場合は、ドアのプロパティは2Dモデルのプロパティから派生されます。
- ドアの追加や削除はショートカットメニューから行い、データの変更はベースデータで直接行います (公共交通車両のドアの定義)。
- 変更が3Dモデルに適していない場合は、警告が表示されます。その場合でも変更をそのまま確定できます。ウィンドウの値はシミュレーションに使用され、3Dモデルの値3Dモードでドアの開閉を示す場合にのみ使用されます。
- 車両用のドアを作成していない場合は、ドアが車両の中央部に一時的に追加されます。それにより、歩行者は乗降が可能になります。それは、トレースファイル内の警告で伝えられます。
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