出発地-目的地マトリックスを使用した交通需要のモデリング

ODマトリックスは、ゾーン間のトリップの数に基づいて旅行需要を定義します (出発地-目的地のマトリックスの定義)。ゾーンはトリップの開始地点と終了地点です。トリップの数は、特定の時間間隔のそれぞれの区域ペアに適用されます。時間間隔はマトリックス属性で定義します (マトリックスの属性)。マトリックスエディタでODマトリックスのトリップの数を編集します (マトリックスエディタにおける車両交通のODマトリックスの編集)。出発地-目的地マトリックスはODマトリックス、需要マトリックス、トリップマトリックスとも呼ばれます。

動的配分を使用したシミュレーションに、複数の出発地-目的地マトリックスを指定できます。それぞれの出発地-目的地のマトリックスに異なる車両構成を設定したり、マトリックスを異なる時間間隔に適用することができます。任意の時点で生成される交通は常に、有効な時間間隔においてこの地点を含むすべてのマトリックスの合計交通の結果であることから、時間間隔が重なることもあります。

小数点以下桁数のある需要値

出発地-目的地マトリックスの需要値には、小数点以下桁数を含めることができます。

  • ANMインポートを使ってVisum からマトリックスをインポートした場合

  • マトリックスエディターで値を入力した場合

  • 動的配分のパラメータで[Scale total volume to][合計交通量を拡大]機能を選択した場合

シミュレーションの実行開始時に、Vissimは、各出発地と目的地の関係における需要をスケーリングし、整数値に丸めます。そうして初めてVissimは、トリップを計算します。丸め方は、シミュレーションのパラメータで指定された乱数シードによって異なります。例: ある発着地関係の需要は時間あたり100.27台です。Vissimは、シミュレーション実行の27%で時間あたり100のトリップを生成し、73%で時間あたり101のトリップを生成します。

小数点以下の桁数のある需要値は、ほとんどの場合、収束の達成に影響を与えないか、ごくわずかです。また、その影響はVissimネットワークによって異なります。経路の交通量が非常に少ない場合や、1台の追加車両が多くの経路の旅行時間に大きな影響を与える場合、収束に達するまでにさらにシミュレーションの実行が必要になることがあります。このような場合、[Convergence]-[収束]タブの動的配分パラメータで、[Required share of converged paths/edges]-[収束経路/エッジの必要な共有]を減らすことができます。