トリップチェーンファイルによる交通需要のモデリング

出発地-目的地のマトリックス以外に、動的配分のためのトリップチェーンファイル*.fkt内にも交通需要が存在する可能性があります。トリップチェーンはトリップの結果と定義されます。出発地-目的地のマトリックスとは異なり、トリップチェーンファイルはシミュレーション用の個々の車両のトリップに関する詳細なデータを提供します。したがって、トリップチェーンファイルの生成は、出発地-目的地のマトリックスと比べて、より複雑になります (出発地-目的地マトリックスを使用した交通需要のモデリング)

トリップチェーンはVissim内部でのみ使用されます。トリップチェーンは元の出発地-目的地のマトリックスから生成されます。よって、シミュレーション実行時には、出発地-目的地のマトリックスとトリップチェーンのフォーマットの需要データを組み合わせて使用できます。

トリップチェーンファイルは、有料ルートを考慮しません。管理車線経路決定は、トリップチェーンに追従する車両に影響します。

トリップチェーンファイル構造

トリップチェーンファイルには、車両ごとのトリップ(トリップチェーン)に関する情報が含まれます。

トリップチェーンは、1つ以上のトリップで構成されます。トリップチェーンには車両が割り当てられ、次の項目を使用して定義されます。

  • 車両の番号
  • 車両のタイプ
  • 出発地ゾーン番号

番号とタイプによる1つ以上のトリップ結果トリップは一群の番号(データフォーマット1.1の場合は4つの番号、データフォーマット2.1は5つの番号)によって定義されます。

  • 出発時間
  • 目的地のゾーン番号
  • 目的地の世界座標(フォーマットバージョン2.1のみ)
  • アクティビティの番号
  • 最小停止時間

次のトリップの出発時間は、そのゾーンでの到着時間とアクティビティの最小停止時間から計算されます。次のトリップに指定した出発時間は、最小停止時間が指定されているときにのみ考慮されます。車両がゾーンに達するまでに時間がかかりすぎた場合は、出発時間がそれに応じて移動されます。その後、最小停止時間が現在の到着時間に加算されます。

車両のトリップチェーンファイルの例

07:00 departure from zone 1 (home) - 07:00 ゾーン1(自宅)から出発

to zone 2 (work) - ゾーン2(職場)へ

dwell time 9 hours - 停止時間は9時間

17:45 departure from zone 2 (work) - 17:45 ゾーン2(職場)から出発

to zone 3 (supermarket) - ゾーン3(スーパーマーケット)へ

dwell time 30 minutes - 停止時間は30分

6:30 PM departure from zone 3 (work) - 午後6:30 ゾーン3(職場)から出発

to zone 1 (home) - ゾーン1(自宅)へ

dwell time 11 hours - 停止時間は11時間