駐車場の作成

ネットワークエディターで、いくつかの並列駐車スペースを含む垂直駐車場または斜め駐車場をわずか数ステップで定義したい場合、駐車場を作成することができます。これはいくつかのステップで行われます。

  • まず、ネットワークエディターで駐車場のサイズを定義し、駐車スペースの数を決定します(ネットワークエディターで駐車場を作成し、属性を定義)。これは既存のリンクでも新規リンクでも可能です。
  • すると [Create car park]-[駐車場の作成] ウィンドウが自動的に開くので、走行路と駐車スペースの属性値を定義します(駐車場の属性)。反対方向にリンクはないけれども必要な場合は、属性を設定する際に、このリンクを作成し、そのサイドに駐車場を作成することが選択できます。また、反対方向のリンクには、両方向から車両が駐車スペースに到達するように指定することもできます。
  • Vissim は必要なすべてのネットワークオブジェクトと駐車場の交錯の処理を作成します。その後、駐車場経路決定を駐車場の上流の希望の位置に移動する必要があります(駐車場の駐車経路決定の位置づけ)

Vissim は駐車場での車両の優先付けを行います (駐車場における車両の優先順位)

Vissim は必要なネットワークオブジェクトを作成します。

ネットワークエディターで駐車場のサイズを定義し、[Create car park]-[駐車場の作成] ウィンドウで属性を定義して確認すると、Vissim が必要なネットワークオブジェクトを定義します。以下が適用されます。

  • 各駐車スペースごとに1車線のリンク
  • 走行路から駐車スペースのリンクまでの駐車用コネクター、および駐車場からバックで出るためのコネクター。Vissim が挿入するコネクターの数は、以下の要因によって異なります。
  • 駐車率: [Parking rate (reverse)]-[駐車率 (反対)][Parking rate (forward)]-[駐車率 (前方)] が0%以上100%未満の場合、Vissim は駐車と駐車場からバックで出る場合の両方について各方向のコネクターを作成します。駐車率の一方が0%の場合、Vissim は、駐車のコネクターと駐車場からバックで出るコネクターをその方向用として作りません。一方の駐車率が100%の場合、Vissim は駐車のためのコネクターと、他方向の駐車場からバックで出るためのコネクターを作りません。必要なコネクターをすべて作成して属性を定義することができなくなるため、将来も変更しないことが確実な場合のみ、駐車率に100%を選択してください。
  • 反対方向:走行路に反対方向のリンクがあり、属性として[Create car park]-[駐車場の作成] ウィンドウで[Generate opposite direction]-[反対方向の生成]属性が選択されている場合、Vissim は反対方向のリンクもコネクターで接続します。Vissim は車線変更距離を [fixed value]-[固定値] 50mに調整し、属性 [Applies per lane change]-[車線変更ごとに適用されます]を選択します。
  • [Parking rate (reverse)]-[駐車率 (反対)]が定義されている場合、逆向き駐車用の駐車場リンクにつながるコネクターは、コネクターの起点であるとともに車両が駐車場に戻るために停止する場所である走行路のリンクの方向と逆方向となります。このコネクターでは、属性[Reverse parking]-[逆向き駐車] が選択されます。逆向き駐車では、グラフィックパラメータ [Connector (reverse) wireframe color]-[コネクター (逆) ワイヤーフレームの色] が使用されます。デフォルトでは濃い黄色です。
  • デフォルトでは、車両がバックで駐車場に出入りするコネクターは、車両が前進で駐車場に出入りするコネクターよりも半径が小さくなっています。
  • 駐車場から逆向き出庫する場合、駐車場リンクから車両が旅行の続行を望むリンクにつながり、方向要求 [None]-[なし]が割り当てらていない上流コネクターだけが考慮されます。駐車場につながるコネクターは無視されます。駐車場につながるコネクターや、[Reverse parking]-[逆向き駐車] 属性が選択されているコネクターは無視されます。

  • 逆向き駐車では、駐車場リンクから車両が旅行の続行を希望するリンクにつながり、方向要求 [All]-[すべて]が割り当てられていない下流コネクターだけが考慮されます。駐車場につながるコネクターや、[Reverse parking]-[逆向き駐車] 属性が選択されているコネクターは無視されます。

  • 駐車時の速度を設定できるコネクター上の減速エリア。駐車場から出るときの速度は、駐車場を作成するときか、属性リスト[Parking Lots]-[駐車場][Speed (forward driving)]-[速度(前進時)][Speed (reversing)]-[反転速度]で定義します。
  • 各駐車スペースにつき1駐車場、駐車場の長さ=駐車スペースの長さ+1mm
  • [Parking routing decision main direction]-[駐車経路決定メイン方向][Parking routing decision opposite direction]-[駐車場経路決定反対方向]に対して属性値[Add new objects]-[新しいオブジェクトを追加]を選択した場合の、 走行路の各方向に対して[Parking Lot]-[駐車場] タイプの新規経路決定。経路決定を希望の上流の位置に移動しなければなりません (駐車場の駐車経路決定の位置づけ)。これらの経路決定は、静的車両経路を参照しなければなりません。
  • そのような経路決定用の2つの駐車場ルート
  • リンクとコネクターに必要なすべての交錯エリア。もし駐車場が出入り口のある行き止まりの道路に反対方向にも作られている場合、Vissimは交錯エリアに[Undetermined]-[特定されていない] というステータスを割り当てます。このステータスは、希望の通行権に関する要件に従って設定できます。Vissim は残りの交錯エリアにステータス[Passive]-[受動的] を割り当てます。
  • 走行路が主方向と反対方向で行き止まりになる場合、Vissim は駐車場の終端前の最後の駐車スペースの各々に追加のリンクを生成し、車両が駐車場から反対車線にバックするために使用する追加のコネクターを生成し、一方の方向だけが行き止まりになる場合、車両は他方向に向けて駐車場を出ます。駐車スペースが行き止まりの端に非常に近く、車両が駐車スペースから車道にバックで出ることができない場合、Vissim はリンクを延長します。

ネットワークエディターでオブジェクトを定義しているときに、 [Short help]-[簡易ヘルプ] が表示され、必要なステップが説明されます。簡易ヘルプの表示/非表示を切り替えることができます (ユーザーインターフェイスの紹介)

駐車場における車両の優先順位

  • 駐車場のリンク上の駐車場を出る車両、または走行路のリンクに戻るコネクター
  • 駐車場のリンク上の駐車車両、または走行路のリンクから駐車場のリンクにつながるコネクター
  • 駐車を希望しない、走行路内にあって旅行方向と逆方向の車両
  • 走行路上にあって駐車スペースへ前進したいけれども、走行路のリンクから駐車場のリンクにつながるコネクター上にまだない車両。走行路上にあってバックで駐車スペースに入ろうとしているが、まだ反対方向にシフトしていない車両。
  • 駐車場から出ようとする車両

駐車のときや駐車場から出るときに車両が使用するコネクター部分に優先ルールを追加しないでください。