ファイルへのODデータからの歩行者旅行時間計測の保存

歩行者エリア間のOD関係の歩行者需要を歩行者の出発地-目的地マトリックスとして管理する場合、歩行者インプット、または目的地エリアまでの歩行者ルートによる歩行者経路決定を定義する必要はありません (歩行者のODマトリックス)。歩行者の出発地-目的地マトリックスに基づくシミュレーションから、次の集約データを*.rsmpファイルに保存できます。

  • 旅行時間
  • 遅延
  • 相対的遅れ
  • 交通量

注意: [travel time measurements]-[旅行時間の測定] を定義する必要はありません。Vissimは、シミュレーション開始時に旅行時間計測を自動的に定義します。一時的な旅行時間計測は、歩行者の出発地-目的地マトリックス内のそれぞれのOD関係について生成されます。

  • 一時的な旅行時間計測は、開始エリアで始まります。
  • 一時的な旅行時間計測は、終了エリアで終わります。

出力データはOD関係および集約間隔ごとの歩行者交通量から得られます。

ネットワーク内の歩行者のそれ以上のルートは無視されます。

評価に関与する歩行者
  • 歩行者インプットに従って出発地エリアで生成される歩行者が考慮されます。
  • 現在の静的ルート(いずれかの出発地エリアで始まったもの)の終わりに目的地エリアに到着する歩行者が考慮されます。
  • 公共交通車両を離れるときに出発地エリアに入る歩行者は考慮されません。
  • 別のエリアから出発地エリアに到着する歩行者は考慮されません。

これには、出発地と目的地の間の部分的ルートを移動してきた歩行者、および、現在の目的地エリアに配置されていても、それを超える経路決定に従って歩行を続ける歩行者も含まれます。つまり、これらの歩行者も考慮されます。

  • 歩行者の目的地エリアへの到着時間が評価期間内に入っている必要があります。したがって、評価期間の終了のみがその間隔に入っており、評価期間の開始は入っていないということになります。
  • 出発地エリアでの歩行者の開始時間は関係ありません。
  • 同じ出発地エリアから同じ目的地エリアまでの経路に異なる静的ルートを使用する歩行者は、区別されません。次の項目が適用されます。
  • 各OD関係ごとの、すべての関連する歩行者から得た出力データ。
  • 1つのOD関係に対して複数の静的ルートが存在する場合があります。
  • 出発地エリアから目的地エリアまでの自身のルートを完了した歩行者はもう記録されません。

例:

  • 歩行者が、別のルートのコース内にいて、再度元の出発エリアから同じ目的地エリアまでの、元の静的ルートを取る場合、その歩行者は無関係となります。
  • また、歩行者の次の目的地エリアに、元の出発地エリアから別の静的ルートを経由して到達できる場合も、その歩行者は無関係となります。
  • 自身の目的地までの静的ルート上のエリアに入る歩行者で、その目的地が、別の静的ルートの目的地エリアであり、出発地エリア内の歩行者の経路決定から開始されている場合も、該当する歩行者は記録されません。この歩行者は、自身の静的ルートの目的地エリアに到達した場合にのみ、評価に含まれます。
  • エリアXから始まり、同じエリアXで終わる環状ルートを持つ歩行者は、評価に含まれます。1つのエリア内の歩行者は考慮されないことから、環状ルートの場合は、少なくとも1つのルートのスプライン点を、静的ルートの出発地および目的地であるエリアXの外のエリアに配置する必要があります。エリアX内でルートの目的地に到着する前に、環状ルート内の別のエリアに別のスプライン点が存在する場合は、環状ルートの出発地および目的地であるエリアXも、環状ルートのスプライン点になり得ます。
歩行者旅行時間(ODデータ)の直接出力の構成

1.  [Evaluation]-[評価]メニューから、[Configuration]-[構成] > [Direct Output]-[直接出力] タブを選択します。

2.  [Pedestrian travel time (OD data)]-[歩行者旅行時間(ODデータ)]列で、オプション [Write to file]-[ファイルへの書き込みを選択します。

3.  必要に応じて時間を変更できます (直接出力機能を使用した評価結果のファイルへの保存)

4.  [More]-[詳細] ボタンをクリックします。

[Pedestrian travel time (OD data)]-[歩行者旅行時間(ODデータ)] ウィンドウが開きます。

5.  必要に応じて集約間隔を変更します。

6.  [OK] で確定します。

7.  シミュレーションを開始します (シミュレーションの実行)

*.rsmpファイルが保存されます。指定された評価の終了前にシミュレーションが終了する場合、シミュレーションに合わせて評価も終了します。したがって、最後の時間間隔は不完全なものとなる場合があります。その場合も、残りの時間間隔に対応する結果値は保存されます。

歩行者旅行時間(ODデータ)の評価の結果

出力ファイル*.rsmpには次のデータがあります。

[Element]-[エレメント]

[Description]-[説明]

[File title]-[ファイルタイトル}

評価の名前

[File]-[ファイル]

ネットワークファイルのパスと名前

[Comment]-[コメント]

シミュレーションパラメータによるオプションのコメント

[Date]]-[日付

評価の時間

PTV Vissim

バージョン番号、サービスパック番号、ビルド番号

[Data]-[データ]

それぞれのOD関係の属性を持つデータブロック:

  • 評価期間全体に対して
  • 各評価間隔に対して個別に

ヘッダーデータ(1行):

  • パラメータ
  • 有効な時間間隔(シミュレーション秒)
  • 目的地エリアのリスト

出力データ:

  • 属性およびOD関係ごとの出力値を持つ出発地エリアごとに1行
  • 各時間間隔に対して:OD関係ごとの計測データを持つ個別のデータブロック

各データブロックには次の評価データが含まれます:

[Output data]-[出力データ]

[Description]-[説明]

[Travel time]-[旅行時間]

OD関係ごとの関連する歩行者のすべての旅行時間の平均。

[Delay]-[遅れ]

OD関係ごとのすべての合計遅れ値の平均。

それぞれの歩行者に対して、各シミュレーションステップ内の遅れ結果は次のものから算出されます。

例:

希望速度の75%の歩行者の場合、遅れは時間ステップの長さの25%となります。

これらの値は、歩行者の測定距離全体で累積されます。

注意: 負の値の場合、遅れ値合計が減ることになります。

動いているエレベーター内で立っているのは遅れには含まれません。

[Relative delay]-[相対的遅れ]

OD関係ごとのすべての相対的遅れの平均

この値は、旅行時間内の遅れのパーセンテージとして、各歩行者ごとに個別に判断されます。

[Vokume]-[交通量]

別の結果属性が決定される基準となる歩行者の人数。

例:出力ファイル*.rsmp

以下のマトリックスの出力ファイルが生成されます:

この例では、データブロック(0s-360s)内の改行により読みやすくなっています。

Pedestrian travel time measurement (OD data)

File    C:\Users\Public\Documents\PTV Vision\PTV Vissim 2023\Examples Training\Pedestrian OD Matrix.inpx
Comment:
Date:    03.01.2024 12:23:33
PTV Vissim 2023.00-00* [238500]
 
Travel time:0s-360s;3;4;5;6;
Delay:0s-360s;3;4;5;6;
Relative delay:0s-360s;3;4;5;6;
Volume:0s-360s;3;4;5;6
1;0.0;0.0;53.5;61.0;
1;0.0;0.0;4.5;4.4;
1;0.00;0.00;0.09;0.07;
1;0;0;166;85
2;31.7;0.0;0.0;73.4;
2;4.1;0.0;0.0;6.0;
2;0.13;0.00;0.00;0.08;
2;97;0;0;97
4;33.2;0.0;0.0;0.0;
4;5.3;0.0;0.0;0.0;
4;0.17;0.00;0.00;0.00;
4;87;0;0;0
8;0.0;77.3;0.0;0.0;
8;0.0;7.4;0.0;0.0;
8;0.00;0.10;0.00;0.00;
8;0;108;0;0
 
Travel time:0s-180s;3;4;5;6;Delay:0s-180s;3;4;5;6;Relative delay:0s-180s;3;4;5;6;Volume:0s-180s;3;4;5;6
1;0.0;0.0;51.7;58.0;1;0.0;0.0;4.2;4.0;1;0.00;0.00;0.08;0.07;1;0;0;106;53
2;31.5;0.0;0.0;0.0;2;4.0;0.0;0.0;0.0;2;0.13;0.00;0.00;0.00;2;80;0;0;0
4;33.1;0.0;0.0;0.0;4;5.6;0.0;0.0;0.0;4;0.17;0.00;0.00;0.00;4;74;0;0;0
8;0.0;0.0;0.0;0.0;8;0.0;0.0;0.0;0.0;8;0.00;0.00;0.00;0.00;8;0;0;0;0
 
Travel time:180s-360s;3;4;5;6;Delay:180s-360s;3;4;5;6;Relative delay:180s-360s;3;4;5;6;Volume:180s-360s;3;4;5;6
1;0.0;0.0;56.6;66.0;1;0.0;0.0;5.0;4.9;1;0.00;0.00;0.09;0.07;1;0;0;60;32
2;32.5;0.0;0.0;73.4;2;4.8;0.0;0.0;6.0;2;0.15;0.00;0.00;0.08;2;17;0;0;97
4;33.7;0.0;0.0;0.0;4;3.9;0.0;0.0;0.0;4;0.12;0.00;0.00;0.00;4;13;0;0;0
8;0.0;77.3;0.0;0.0;8;0.0;7.4;0.0;0.0;8;0.00;0.10;0.00;0.00;8;0;108;0;0