均衡配分 - 例

この例では、4つの経路のみを含む単一のODペアに基づく均衡配分において、相対ターゲット交通量の再分配について説明します。

以前のシミュレーション実行をベースとしたターゲット交通量

下図は、均衡配分による、以前のシミュレーション実行をベースとした相対ターゲット交通量を示しています。完了した前回のシミュレーション実行では、ほとんどの交通量が経路2に、次いで経路3および経路1に分配されました。前回のシミュレーションでは、経路4には交通量がありませんでした。

前回のシミュレーション実行の経路1~4の相対ターゲット交通量:

:前回の相対ターゲット交通量

前回のシミュレーション実行で測定されたコスト

下図は、前回のシミュレーション実行で測定されたコストを示します。経路3は最も高額な経路であり、唯一、平均コストを上回る価格となっています。経路2は、平均コストに最も近く、経路4はやや安価で、経路1が最も安価となっています。

経路1~4のコスト:

コスト

平均コスト

交通量の再分配

このデータを用いて交通量を再分配できます (経路検索の使用/非使用の経路選択の方法)。式の計算から、再配分対象の総交通量のシェアが個々の経路に分配されることになります。これは、下図のように示されます。再分配対象の総交通量のシェア全体は、経路3から取得されていますが、これは、平均コストよりもコストの高い経路が経路3のみであるためです。経路2のコストは平均コストを下回っていますが最も平均に近いため、経路2に追加される交通量は最も少なくなります。経路1は最も安価な経路であるため、経路1に追加される交通量が最も多くなります。

経路1~4の再分配:

結果と、再分配前後の相対ターゲット交通量の比較

この例のように、前回の完了したシミュレーション実行がこの配分の4回目のシミュレーション実行であった場合、再分配アルゴリズムに従って、総交通量の4分の1をODペアに対して再分配する必要があります。新たなターゲット交通量は、上記の「Redistribution(再分配)」の図の値の4分の1を、最初の「Relative target volume of previous simulation runs(前のシミュレーション実行の相対ターゲット交通量)」の図の値に加えることで決定されます。次の図には、新たな相対ターゲット交通量が示されています。経路3の相対ターゲット交通量が大きく減少し、経路1のターゲット交通量が大幅に増加しています。経路4にも交通量があります。一方、経路2の交通量はほとんど変化がありません。

経路1~4の相対ターゲット交通量の前後の比較:

:再分配前の相対ターゲット交通量、左側のグラフ

:再分配後の相対ターゲット交通量、右側のグラフ